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微笑みを彩るセラミック: 歯科の最新トレンド
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歯科用語の基本:初診時に知っておきたい10の専門用語

三浦さやか, 2025年6月6日2025年6月26日

最終更新日 2025年6月26日 by 三浦さやか

歯医者さんで専門用語を連発されて、よく分からないまま頷いてしまった…。
そんな経験、ありませんか?

「カリエスがC2まで進行していて、根管治療が必要かもしれません」。
「ポケットが深いので、スケーリングから始めましょう」。

まるで外国語のように聞こえる言葉の数々に、不安を感じてしまう気持ち、本当によく分かります。

こんにちは。
元歯科衛生士で、現在はオーストラリア・メルボルンで医療ライターをしている三浦さやかです。

歯科衛生士として日本の臨床現場に6年、そして医療ライターとして海外の最新情報に触れる中で痛感しているのは、「言葉の壁」が治療の質を左右してしまう現実です。

この記事を読めば、あなたが歯科医院で出会う基本的な専門用語の意味が分かり、自信を持って治療の選択ができるようになります。
国内の現場で使われる言葉はもちろん、「Buzz Cut Zirconia」のような海外の最新トレンドワードまで、私の経験を交えながら分かりやすく解説しますね。

この記事が、あなたの「分からない」を「分かる!」に変える、最高の翻訳ツールになることをお約束します。

目次

  • 1 初診でよく使われる歯科用語ベスト10
    • 1.1 1. プラーク(Plaque):ただの汚れじゃない?
    • 1.2 2. カリエス(Caries):虫歯とどう違う?
    • 1.3 3. ポケット(Periodontal Pocket):深さ=リスク?
    • 1.4 4. バイトウィング(Bitewing):レントゲンの一種?
    • 1.5 5. スケーリング(Scaling):歯石除去のプロ技とは?
    • 1.6 6. デバイス名:「プロービング」や「エアフロー」って何?
    • 1.7 7. 根管治療(Root Canal Treatment):なぜ時間がかかるの?
    • 1.8 8. 補綴(ほてつ/Prosthodontics):クラウンとの違いは?
    • 1.9 9. 自費診療 vs 保険診療:どう選ぶ?実体験ベースで解説
    • 1.10 10. エナメル質・象牙質:歯の「層構造」、あなたは何層目?
  • 2 海外の歯科診療で出会った専門用語のズレ
    • 2.1 オーストラリアでの診療体験から
    • 2.2 「Buzz Cut Zirconia」って何語?展示会での驚き
    • 2.3 英語での歯科説明:通訳がいても通じない“専門カタカナ”
  • 3 なぜ用語理解が重要なのか
    • 3.1 「知らない」で選択を誤らないために
    • 3.2 歯科恐怖症の軽減にもつながる?
    • 3.3 コミュニケーションの質が治療成果を左右する
  • 4 用語を味方につける!患者目線での活用法
    • 4.1 1. 質問のしかた:「これはどんな意味ですか?」の一言が変える
    • 4.2 2. セカンドオピニオン時の用語メモ術
    • 4.3 3. 小児・高齢者へのわかりやすい説明にも応用可
  • 5 まとめ

初診でよく使われる歯科用語ベスト10

まずは基本の10語からマスターしましょう。
これさえ押さえれば、初診時の説明がぐっと理解しやすくなりますよ。

1. プラーク(Plaque):ただの汚れじゃない?

プラークは、単なる食べかすではありません。
歯の表面に付着する、細菌の塊(かたまり)です。

白くてネバネバしており、うがいでは取れません。
このプラークこそが、虫歯や歯周病を引き起こす直接の原因なんです。
歯科衛生士時代、「歯磨きしてるんですけどね…」という方に、このプラークが細菌の塊であることを伝えると、皆さんとても驚かれていました。

2. カリエス(Caries):虫歯とどう違う?

カリエスは、ズバリ「虫歯」を意味する専門用語です。
「Caries」の頭文字をとって、虫歯の進行度を「C1、C2」のように表現します。

  • C1: エナメル質(歯の表面)だけの小さな虫歯
  • C2: 象牙質まで進んだ虫歯。冷たいものがしみることがある
  • C3: 神経まで達した虫歯。ズキズキと痛む
  • C4: 歯の頭の部分が崩壊し、根だけが残った状態

「C2ですね」と言われたら、「ああ、象牙質まで進んだ虫歯なんだな」と理解できるわけです。

3. ポケット(Periodontal Pocket):深さ=リスク?

これは「歯周ポケット」のことです。
歯と歯茎の境目にある溝の深さを指します。

健康な歯茎なら、この溝は1〜2mm程度です。
しかし、歯周病が進行すると、このポケットがどんどん深くなっていきます。
4mm以上になると、歯周病のリスクありと判断される一つの目安です。

4. バイトウィング(Bitewing):レントゲンの一種?

はい、その通りです。
レントゲン撮影法の一種で、特に「歯と歯の間」にできた初期の虫歯を見つけるのが得意です。

小さなフィルムを噛んで(Bite)撮影することから、この名前がついています。
目では見えない場所の虫歯を発見するために、非常に重要な検査なんですよ。

5. スケーリング(Scaling):歯石除去のプロ技とは?

これは「歯石取り」のことです。
歯磨きでは取れないほど硬く固まってしまった歯石を、「スケーラー」という専用の器具で除去するプロの技術です。

歯周病の進行を食い止めるための、基本的な治療の一つですね。

6. デバイス名:「プロービング」や「エアフロー」って何?

治療中には、様々な機械や器具の名前も出てきます。

  • プロービング: 先ほどの「ポケット」の深さを測る検査のことです。目盛りのついた細い器具を使います。
  • エアフロー: 水と非常に細かいパウダーを歯に吹き付けて、着色汚れ(ステイン)やプラークを強力に除去する機械です。

「エアフローしますね」と言われたら、「ああ、歯のクリーニングだな」と思ってもらえればOKです!

7. 根管治療(Root Canal Treatment):なぜ時間がかかるの?

虫歯が神経まで達してしまった場合に行う、歯の根っこ(根管)の治療です。
汚染された神経を取り除き、根管の中を何度もキレイに消毒し、最終的に薬剤を詰めます。

歯の根管は、木の根のように非常に複雑で細い形をしています。
そのため、完璧にキレイにするにはどうしても時間と回数がかかってしまうのです。

8. 補綴(ほてつ/Prosthodontics):クラウンとの違いは?

「補綴」とは、歯が欠けたり無くなったりした部分を、人工物で補う治療全体の総称です。
少し難しい言葉ですよね。

そして、「クラウン(被せ物)」や「インレー(詰め物)」、「ブリッジ」や「入れ歯」は、補綴治療の具体的な方法の名前です。
つまり、補綴という大きなカテゴリーの中に、クラウンやインレーがある、という関係性です。

9. 自費診療 vs 保険診療:どう選ぶ?実体験ベースで解説

これは治療法を選ぶ上で、最も重要な知識の一つです。
私もオーストラリアで高額な自費のセラミック治療を経験し、その選択の重要性を痛感しました。

比較項目保険診療自費診療(自由診療)
目的機能回復(最低限噛めるようにする)機能回復+審美性・快適性の追求
費用安い(1〜3割負担)高い(全額自己負担)
材料国の定めた材料のみ(例:銀歯)制限なし(例:セラミック、ジルコニア)
精度ルール内の治療時間をかけ、より精密な治療が可能

どちらが良い・悪いではなく、あなたが何を優先するかで選ぶことが大切です。
私の場合は、留学中に前歯が欠けてしまい、見た目を重視して自費のセラミックを選びましたが、その請求額には本当に驚きました…。

この経験から、選択肢とそれぞれの価値を事前に知っておくことの重要性を、誰よりも強く感じています。
また近年では、歯ぎしりや食いしばりが原因で歯や顎に過度な負担がかかっている場合に、筋肉の緊張を和らげるボトックス治療といった新しいアプローチも、QOL(生活の質)を高める選択肢として注目されています。

10. エナメル質・象牙質:歯の「層構造」、あなたは何層目?

歯は、外側から「エナメル質」「象牙質」「歯髄(神経)」という層になっています。

一番外側のエナメル質は、体の中で最も硬い組織です。
しかし、虫歯がこのエナメル質を突破して、内側の象牙質まで達すると、象牙質は柔らかいため虫歯の進行スピードが一気に速くなります。
「C2」が治療の一つの目安になるのは、このためです。

海外の歯科診療で出会った専門用語のズレ

歯科用語は万国共通…と思いきや、国や文化によって少しずつニュアンスが違うんです。
メルボルンでの私の体験を少しお話ししますね。

オーストラリアでの診療体験から

先ほどお話しした通り、オーストラリアでは公的保険で歯科はカバーされず、治療は基本的に自費です。
そのため、「予防」への意識が非常に高く、定期検診で「プラークコントロール」や「スケーリング」について話す機会が日本より圧倒的に多いと感じます。

治療よりも、いかに「カリエス」や「ポケット」の深化を防ぐか。
そのためのコミュニケーションが、診療の中心にある印象です。

「Buzz Cut Zirconia」って何語?展示会での驚き

先日、現地の歯科展示会を取材したときのこと。
あるブースで「Buzz Cut Zirconia」という言葉が飛び交っていました。

直訳すると「丸刈りジルコニア」?
全く意味が分からず、その場で専門家に尋ねてみました。

これは、ジルコニアという非常に硬いセラミックの被せ物(クラウン)を作る際に、歯を削る量を最小限に抑える新しい術式やコンセプトを指すスラングのような言葉でした。
技術の進化と共に、新しい言葉が生まれていることを実感した瞬間です。

英語での歯科説明:通訳がいても通じない“専門カタカナ”

日本で当たり前に使っている「レントゲン」は、ドイツ語由来。
英語では「X-ray(エックスレイ)」が一般的です。

このように、私たちが普段使っているカタカナの専門用語が、海外では通じないことが多々あります。
これは、海外で治療を受ける可能性がある方には、ぜひ知っておいてほしいポイントです。

なぜ用語理解が重要なのか

ここまで読んで、「用語って、やっぱり覚えるのが大変…」と感じたかもしれません。
でも、用語を理解することには、それを上回る大きなメリットがあるんです。

「よく分からないけど、先生にお任せします…」

かつて、多くの患者さんがこうおっしゃっていました。
しかし、これでは本当に自分に合った治療を選ぶことはできません。

「知らない」で選択を誤らないために

用語が分かれば、医師の説明の意図が正確に理解できます。
保険と自費の違い、それぞれの治療法のメリット・デメリットを自分で比較検討し、納得して治療法を選択できるようになります。

歯科恐怖症の軽減にもつながる?

「何をされるか分からない」という未知への恐怖は、歯科医院が怖いと感じる大きな原因の一つです。
用語が分かり、治療の流れが見えるようになると、先の見えない不安が軽減され、リラックスして治療に臨めるようになります。

コミュニケーションの質が治療成果を左右する

自分の希望や疑問を、専門用語を使って的確に伝えられるようになると、歯科医師や歯科衛生士とのコミュニケーションが格段にスムーズになります。
良好なコミュニケーションは、信頼関係を築き、最終的な治療の満足度、つまり治療成果そのものを向上させるのです。

用語を味方につける!患者目線での活用法

最後に、学んだ用語を実際の診療で活かすための、具体的なアクションプランをご紹介します。

1. 質問のしかた:「これはどんな意味ですか?」の一言が変える

分からない言葉が出てきたら、遠慮なくその場で質問しましょう。
「すみません、今おっしゃった〇〇って、どういう意味ですか?」
この一言が、あなたの治療への理解度を劇的に変えます。

2. セカンドオピニオン時の用語メモ術

もし他の歯科医院の意見も聞きたい(セカンドオピニオン)と思ったら、診断された内容や提案された治療法をメモしておきましょう。
「カリエスC2で、補綴は自費のセラミックインレーを提案された」
このように用語を使ってメモしておけば、次の医院でも話がスムーズに伝わります。

3. 小児・高齢者へのわかりやすい説明にも応用可

ご家族、特にお子さんやご高齢の方に治療内容を説明する際にも、この知識は役立ちます。
「歯の根っこをお掃除する治療(根管治療)だから、何回か通う必要があるんだって」
このように専門用語を簡単な言葉に“翻訳”してあげることで、ご家族の不安を和らげることができます。

まとめ

歯科用語は、決してあなたを混乱させるためのものではありません。
むしろ、自分の体で起きていることを正確に知り、最善の治療を選択するための“翻訳ツール”なのです。

  • プラークやカリエスなど、基本的な10語を押さえるだけで、初診の説明が格段に分かりやすくなります。
  • 保険と自費の違いを理解すれば、納得のいく治療選択ができます。
  • 用語の理解は、不安を軽減し、医師とのコミュニケーションを円滑にします。
  • 海外との違いを知ることで、国内の診療をより広い視野で見つめ直すことができます。

言葉が分かれば、歯科医院はもう怖い場所ではありません。
あなたの健康を守る、頼もしいパートナーになるはずです。

さて、この記事があなたの「知りたい」に応えられていれば嬉しいです。
次は、どの用語やテーマについて深掘りしてほしいですか?
ぜひ、あなたの声を聞かせてくださいね!

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  • 1 初診でよく使われる歯科用語ベスト10
    • 1.1 1. プラーク(Plaque):ただの汚れじゃない?
    • 1.2 2. カリエス(Caries):虫歯とどう違う?
    • 1.3 3. ポケット(Periodontal Pocket):深さ=リスク?
    • 1.4 4. バイトウィング(Bitewing):レントゲンの一種?
    • 1.5 5. スケーリング(Scaling):歯石除去のプロ技とは?
    • 1.6 6. デバイス名:「プロービング」や「エアフロー」って何?
    • 1.7 7. 根管治療(Root Canal Treatment):なぜ時間がかかるの?
    • 1.8 8. 補綴(ほてつ/Prosthodontics):クラウンとの違いは?
    • 1.9 9. 自費診療 vs 保険診療:どう選ぶ?実体験ベースで解説
    • 1.10 10. エナメル質・象牙質:歯の「層構造」、あなたは何層目?
  • 2 海外の歯科診療で出会った専門用語のズレ
    • 2.1 オーストラリアでの診療体験から
    • 2.2 「Buzz Cut Zirconia」って何語?展示会での驚き
    • 2.3 英語での歯科説明:通訳がいても通じない“専門カタカナ”
  • 3 なぜ用語理解が重要なのか
    • 3.1 「知らない」で選択を誤らないために
    • 3.2 歯科恐怖症の軽減にもつながる?
    • 3.3 コミュニケーションの質が治療成果を左右する
  • 4 用語を味方につける!患者目線での活用法
    • 4.1 1. 質問のしかた:「これはどんな意味ですか?」の一言が変える
    • 4.2 2. セカンドオピニオン時の用語メモ術
    • 4.3 3. 小児・高齢者へのわかりやすい説明にも応用可
  • 5 まとめ

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