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微笑みを彩るセラミック: 歯科の最新トレンド
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「セラミックは割れる」は誤解?10年後も美しさを保つためのメンテナンス術

三浦さやか, 2026年2月27日2026年2月27日

最終更新日 2026年2月27日 by 三浦さやか

こんにちは、三浦さやかです。現在メルボルンを拠点に、グローバルな視点から歯科情報を発信している医療ライター兼元歯科衛生士です。実は私自身、留学中に保険外のセラミック治療を受けて、そのコストの高さに目が飛び出た経験があります(笑)。日本円換算で30万円以上……あの衝撃は今も忘れられません。

だからこそ聞きたいんですよね。「セラミックって本当に割れるの?」って。

こちらの記事を読んでいる方の中にも、「高い費用を払ったのにすぐ割れたらどうしよう」「10年、20年と長く使い続けられるか不安」というご不安を抱えている方がたくさんいらっしゃると思います。歯科衛生士として6年間、そして医療ライターとして5年間、国内外の歯科情報に携わってきた立場から、今日はこの疑問に正面から答えていきます。

結論から言うと、「セラミックは割れやすい」というのは条件付きの話です。正しい素材を選び、適切なメンテナンスを続ければ、10年どころか20年以上美しい状態を保てるデータが出ています。この記事では、割れる本当の原因・素材別の寿命・実践的なホームケアの方法まで、海外論文データも交えながら徹底解説していきます!

目次

  • 1 セラミックが「割れやすい」と言われる本当の理由
    • 1.1 割れる原因①:歯ぎしり・食いしばり
    • 1.2 割れる原因②:硬いものを噛む習慣
    • 1.3 割れる原因③:噛み合わせの問題と施術精度
    • 1.4 割れる原因④:素材の選択ミス
  • 2 セラミックの種類別「寿命」を正直に比較
    • 2.1 海外研究が示す「正直な数字」
  • 3 10年後も美しく保つ「5つのセルフケア習慣」
    • 3.1 ① 歯ブラシ・歯磨き粉の選び方が最初の関門
    • 3.2 ② フロス → 歯ブラシ → タフトブラシの順番が正解
    • 3.3 ③ 歯ぎしりがある人は「ナイトガード」が必須
    • 3.4 ④ 食習慣・生活習慣の見直し
    • 3.5 ⑤ 上下歯列接触癖(TCH)に注意する
  • 4 プロに任せる「定期メンテナンス」の中身と頻度
    • 4.1 3〜6ヶ月ごとのチェックで何をするのか
    • 4.2 保証期間を活用する
  • 5 セラミックが割れたときの正しい対処法
    • 5.1 やってはいけないこと
    • 5.2 正しい対処法
  • 6 まとめ

セラミックが「割れやすい」と言われる本当の理由

まず大前提として押さえておきたいのですが、セラミックは「陶器」の一種です。お茶碗は硬いけれど落とすと割れますよね?セラミックも同様で、「硬度は高いが衝撃には弱い」という性質を持っています。ただし、これは「すぐに割れる欠陥素材」ではなく、「力のかかり方と素材の選択が重要」という話です。

割れる原因①:歯ぎしり・食いしばり

セラミックが割れる原因として最も多いのが、歯ぎしりや食いしばりです。夜中に無意識に行うこれらの習慣は、奥歯に100kgもの力をかけると言われています。通常の噛む力の3倍以上です。天然歯でさえ折れることがあるレベルの負荷ですから、セラミックが割れても不思議ではありません。

厄介なのは、本人が気づいていないことが多い点。「起床時に顎が疲れている」「朝から歯が締め付けられるような感覚がある」「パートナーに歯ぎしりを指摘された」……こういったサインがある方は要注意です。

割れる原因②:硬いものを噛む習慣

氷をバリバリと噛む、煎餅を前歯でかじる、アーモンドをゴリゴリ噛む——これらはすべてセラミックにとってリスクの高い行為です。またストレス発散で爪を噛む癖や、袋を歯で開ける習慣も同様です。日本では日常的な行動でも、こうした使い方はセラミックの破折リスクを格段に高めます。

割れる原因③:噛み合わせの問題と施術精度

噛み合わせが悪いと、セラミックの特定部位に負荷が集中してしまいます。また、セラミックの厚みが不十分であったり、土台となる歯の形態設計が不適切だったりすると、力が一点に集中してひびが入りやすくなります。さらに、接着剤の劣化や土台の歯が虫歯になると、セラミック全体の安定性が低下して破折・脱落につながるケースもあります。

割れる原因④:素材の選択ミス

セラミックにも複数の種類があります。審美性重視のオールセラミックを奥歯に入れてしまうと、噛む力に耐えきれず割れやすくなります。反対に、ジルコニアを全力で前歯に使うと、逆に向かい合う天然歯を傷める可能性があります。「どこに何を使うか」というマッチングが、割れのリスクを左右する重要なポイントです。

セラミックの種類別「寿命」を正直に比較

ここが一番知りたい部分ですよね。セラミックにはいくつかの種類があり、それぞれ強度・審美性・寿命が異なります。正確な情報をお伝えするために、素材別の特徴を表にまとめました。

素材名強度の目安適した部位平均寿命の目安
オールセラミック天然歯と同等主に前歯10〜15年
e.max(ガラスセラミック)天然歯と同等(400MPa)前歯・奥歯両方可10〜15年
ジルコニア(フルジルコニア)天然歯の約3倍(1300MPa)主に奥歯15〜20年
ジルコニアボンド非常に高い奥歯・前歯両方可10〜15年
ハイブリッドセラミックやや低め前歯7〜8年
メタルボンド高い(内側が金属)奥歯8〜10年

※寿命はケアの方法・口腔内環境・施術精度によって大きく変動します。

e.maxは「次世代のスタンダード」とも呼ばれ、天然歯と同じレベルの硬さ(400MPa)を持ちながら、透明感のある美しい仕上がりが特徴です。ジルコニアは”人工ダイヤモンド”の異名を持つほど硬く、宇宙関連の素材にも使われているほど。歯ぎしりがある方や奥歯に入れる場合は、ジルコニアが選択肢として有力です。

ちなみにオーストラリアの歯科では、審美性と耐久性のバランスを考えてe.maxを前歯に、奥歯にはジルコニアを使い分ける「ハイブリッド戦略」が一般的です。素材の特性をきちんと活かした配置が、長持ちの鍵になっています。

海外研究が示す「正直な数字」

美しい話ばかりではなく、データを正直にお伝えします。2024年にBDJ Open(Nature出版グループ)に掲載されたジルコニアの15年追跡研究によると、ジルコニアクラウンの15年時点での累積失敗率は28.33%でした。裏を返せば、約70%が15年以上機能し続けているとも言えます。

また全セラミック単冠を対象とした大規模な分析では、5年生存率が89.9%、10年生存率が80.9%というデータも出ています。一方で、口腔衛生習慣の悪さやブラキシズム(歯ぎしり)は生存率を大きく下げる要因として指摘されており、「ケア次第で寿命は全然違う」というエビデンスが積み重なっています。

10年後も美しく保つ「5つのセルフケア習慣」

では実際に何をすれば良いのか。ここからは私が毎朝実践しているルーティンも交えながら、具体的なケア方法をご紹介します。

① 歯ブラシ・歯磨き粉の選び方が最初の関門

セラミックのセルフケアでまず見直してほしいのが、使う道具です。

  • 歯ブラシは「やわらかめ〜ふつう」のナイロン製、ヘッドは小さめを選ぶ
  • 力を入れすぎない(目安:持った手に力が入らない程度のペンシルグリップ)
  • 電動歯ブラシを使う場合は回転式ではなく「音波振動タイプ」を選ぶ
  • 歯磨き粉は研磨剤(RDA値)が低いもの、またはフッ素配合の低研磨剤タイプ

特に「ホワイトニング歯磨き粉」は研磨剤が強いものが多いため、セラミック治療後には注意が必要です。天然歯が白くなっても、セラミック自体は白くなりません。むしろ表面に細かい傷がついて光沢が失われるリスクがあります。

私がメルボルンで使っているのは、研磨剤無配合のジェルタイプにフッ素を別途添加するパターンです。これ、歯科衛生士の間では割と一般的な組み合わせなんですよ!

② フロス → 歯ブラシ → タフトブラシの順番が正解

毎日の磨き方の順番も重要です。効果的なセルフケアの手順は以下のとおりです。

  • フロスで歯と歯の間のプラーク(歯垢)を先に浮かせる
  • 歯ブラシで歯の全面をやさしく磨く(45度の角度で歯茎との境目を意識)
  • ワンタフトブラシで歯肉溝(セラミックと歯茎の隙間)を重点的にケア

なぜこの順番かというと、フロスを先に使うことで、歯ブラシが届かない隙間のプラークを先に崩してから磨けるからです。逆の順番だと、フロスでプラークを歯ブラシの磨き残し部分に詰め込んでしまうことがあります。

また、セラミックと天然歯の境目(マージンライン)は特に汚れが溜まりやすく、ここのケアが甘いと土台の歯が虫歯になりやすくなります。タフトブラシは見えにくい境目の掃除に最適なツールです。

③ 歯ぎしりがある人は「ナイトガード」が必須

歯科衛生士として断言します。歯ぎしり・食いしばりがある方にとって、ナイトガード(就寝時のマウスピース)はセラミックを守る最重要ツールです。

就寝中の歯ぎしりは自分ではコントロールできません。体重の2〜5倍の力が歯にかかり続けるため、どんなに良い素材を入れても消耗・破折のリスクが上がります。ナイトガードを装着することで力を分散させ、セラミックへのダメージを大幅に減らすことができます。

最近ではボトックスを咬筋(咬む筋肉)に注射して、歯ぎしりの力そのものを和らげる施術を行っている歯科医院も増えています。こうした選択肢も歯科医師に相談してみる価値があります。

④ 食習慣・生活習慣の見直し

セラミックに負荷をかける行動を減らすことも大切です。

  • 氷・せんべい・アーモンドなどの硬いものはセラミック部位で噛まない
  • 前歯で袋を開ける・爪を噛む習慣はやめる
  • 喫煙はヤニの付着だけでなく歯周病リスクも高め、セラミックの安定性を損なう
  • コーヒー・紅茶・赤ワインを飲んだ後は水でゆすぐ習慣をつける

オーストラリアでは予防歯科の文化が非常に根づいており、「壊れてから治す」ではなく「壊れないように日常から管理する」という考え方が主流です。食習慣・生活習慣の見直しは、まさにその考え方の実践です。

⑤ 上下歯列接触癖(TCH)に注意する

意外と知られていないのが「TCH(Tooth Contacting Habit)」、いわゆる上下の歯が無意識に触れている状態です。本来、上下の歯が接触するのは食事中や飲み込む瞬間だけで、1日のうちせいぜい20分程度とされています。

パソコン作業中や読書中など、集中しているときに歯を咬み合わせてしまう癖がある方は、セラミックへの慢性的な負担につながります。「唇を閉じて、歯は離す」という習慣を意識してみてください。

プロに任せる「定期メンテナンス」の中身と頻度

セルフケアだけでは限界があります。セラミックを長持ちさせるためには、歯科医院での定期メンテナンスが欠かせません。

3〜6ヶ月ごとのチェックで何をするのか

定期メンテナンスでは、主に以下のことが行われます。

  • 口腔内の状態確認(虫歯・歯周病・噛み合わせのチェック)
  • ブラッシング指導(磨き残しの確認と正しい磨き方のアドバイス)
  • PMTC(プロフェッショナルクリーニング):セルフケアで落とせない歯垢・歯石を専用器具で除去
  • 噛み合わせの調整:経年変化による噛み合わせのズレを早期発見・修正
  • セラミックの状態確認:微細なヒビや脱離の兆候を早期発見

特に「噛み合わせ」は加齢とともに少しずつ変化するため、本人が気づかないうちにセラミックへの負荷が増している場合があります。定期的なチェックで、問題が大きくなる前に対応できます。

関口デンタルオフィスのケア情報ページでも解説されているように、3〜6ヶ月ごとのPMTCを継続することでセラミックの光沢を保ち、着色の蓄積を防ぐ効果も期待できます。

保証期間を活用する

多くの歯科医院では、セラミック治療に保証期間を設けています。詰め物で1〜2年、被せ物で3〜5年が目安で、保証期間内であれば無料または割引で対応してもらえます。ただし重要なのが、定期メンテナンスを怠ると保証対象外になるという条件が多い点です。

保証制度は「きちんとメンテナンスに来てくれる患者さん」を対象としています。治療後も定期的に通い続けることが、コスト面でも賢い選択です。

セラミックが割れたときの正しい対処法

ここまで予防の話をしてきましたが、万が一割れてしまったときの対処法も知っておきましょう。

やってはいけないこと

  • 市販の接着剤で自己修理する(後の治療が非常に困難になります)
  • そのまま放置する(虫歯・感染のリスクが上がります)
  • 欠けた破片を舌で触り続ける(口内を傷つけます)

正しい対処法

割れたセラミックの破片は、流水で洗って清潔な容器(またはティッシュ)に保管し、歯科医院に持参してください。欠けた程度によってはコンポジットレジン(樹脂)による修復が可能な場合もありますが、大きく割れている場合は再製作が必要です。

痛みが出ている場合は、冷たいものや硬いものを避けながら、できるだけ早めに受診を。神経を抜いている歯の場合、割れていても痛みを感じないことがあるため、「噛み合わせの違和感」がサインになることもあります。

まとめ

「セラミックは割れる」という印象は、完全な誤解ではありませんが、「正しく使えば十分長持ちする素材」というのが正確な答えです。

重要なポイントを振り返ります。

  • セラミックの割れは「歯ぎしり・硬い食べ物・噛み合わせの問題」が主な原因
  • 素材選びが寿命を大きく左右する(ジルコニアなら15〜20年も可能)
  • セルフケアの基本は「やわらかい歯ブラシ+低研磨剤歯磨き粉+フロス毎日」
  • 歯ぎしりがある人はナイトガードが必須
  • 3〜6ヶ月ごとの定期メンテナンスが寿命を大幅に延ばす

メルボルンの歯科医が患者さんによく言う言葉を最後にひとつ。”Your ceramic investment is only as good as your maintenance.”(セラミックへの投資は、メンテナンスの質と等しい)。

高額な治療費を払うのは最初の一度です。でも、その歯を守り続けるのは毎日の小さな習慣です。今日からのケアが、10年後の笑顔をつくります。

さて、次はどんな海外の歯科トレンドをご紹介しましょうか?「知りたいテーマ」があればぜひコメントで教えてください!

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